扉の取り付け-スライド丁番の特徴とは

カラー化粧板とスライド丁番で扉を作る 扉の材料には、ホームセンターで見つけた「カラー化粧板」を使用します。カラー化粧板は最初から表面仕上げされている板材ということもあり、なるべく切断しないで使用するために、カラー化粧板のサイズに合わせる形で、吊り収納の各サイズ・柱の位置などを決めています …

カラー化粧板とスライド丁番で扉を作る

カラー化粧板

扉の材料には、ホームセンターで見つけた「カラー化粧板」を使用します。カラー化粧板は最初から表面仕上げされている板材ということもあり、なるべく切断しないで使用するために、カラー化粧板のサイズに合わせる形で、吊り収納の各サイズ・柱の位置などを決めています。

結果的には、中央のメイン2枚の扉部分には、18x400x900mmのカラー化粧板2枚を切断しないで使用しています。両サイドの収納部分の扉には、18x400x900mmのカラー化粧板から18x400x400mmのサイズを2枚切り出して使用しています。

そして、扉の取り付け方法ですが、今回のDIYではスライド丁番を使用します。スライド丁番は通常の丁番に比べて取り付けに手間がかかりますが、その分仕上がりや使用感などを良くすることが出来ます。

スライド丁番の特徴

スライド丁番

作業にかかかる前に、まずはスライド丁番の特徴をまとめておきます。スライド丁番の特徴として、以下の項目が挙げられます。

1.丁番が外から見えないので、スッキリとした見栄えの外観に仕上がる。
2.扉が2枚以上続く場合や壁際に扉がある場合でも、隙間なく扉を取り付ける事ができる。(側板が見えない)
3.スライド丁番と台座を予め側板と扉に取り付け、後でワンタッチで扉を取り付けることが出来る。
4.扉を取り付けた後からでも、ドライバー1本で扉位置を調整することが出来る。

今回の制作コンセプトは「見た目をスッキリと仕上げる」ということなので、もちろん全かぶせ用のスライド丁番を使用して、扉を取り付けていくことにします。

かぶせ代の機能で、見た目をスッキリと仕上げられる

かぶせ代

通常の丁番は一軸で出来ているので、側面の板の厚み分を扉で隠すことが出来ません。そのため、扉を正面から見た場合、側面の板の厚み分だけ隙間が開くことになります。

その点、スライド丁番なら4軸以上の複雑な動きで、側面の板の厚み分を隠すことが出来る「かぶせ」という技が使えます。スライド丁番には「全かぶせ用」と「半かぶせ用」があり、それぞれ数ミリの「かぶせ代」を調整出来るようになっています。

このように全かぶせ用のスライド丁番を使えば、扉同士をピッタリとくっつける(実際には1〜2mm程は隙間をあけるのだが…)事ができ、スッキリとした印象の吊り収納に仕上げることが出来ます。

それともう一つ、スライド丁番は様々なサイズ、タイプが発売されていますが、その中に「開き角度」という規格があります。開き角度とは、扉がある一定の角度まできたら、それ以上に開かいないようになっている角度のことを表しています。

開き角度は、扉が90°開くタイプから120°開くタイプまであります。例えば扉を開いた先に壁があるような場合は、90°開くタイプのスライド丁番を使用し、扉を開いた先の空間に余裕があるようであれば120°開くタイプのスライド丁番を使用します。このように目的にあった開き角度のスライド丁番を購入することがポイントです。

自然に扉がしまるキャッチ付スライド丁番

キャッチ付スライド丁番

また、スライド丁番のもう一つの機能として、キャッチ機能が付いたタイプもあります。「キャッチ付き」と「キャッチ無し」という表現で、商品の袋などに記載されています。

キャッチ機能とは、扉が締まり切る寸前のある一定の角度からは、力を入れずに扉が自然にゆっくりと閉まってくれる機能のことをいいます。また扉を締める方向で常に力がかかりますので、扉が少し空いてしまうような事は起こりません。また、マグネットキャッチなどを使用する必要もないので、内部の見た目もスッキリと仕上げる事ができます。

ひとつの扉につきスライド丁番を3個付けるような場合は、キャッチ付を3個使用してしまうと、締める力が強い場合があります。そのような場合には、キャッチ付2個・キャッチ無し1個を同時に使用するなどして、閉まる力を調整することが出来ます。

カップを収める穴あけ加工が必要

穴あけ加工

このように、様々なメリットがあるスライド丁番ですが、その一方、通常の丁番に比べて取り付けに手間がかかるというデメリットもあります。その中でも、一番木工の技術が必要で、手間となるのは、扉にカップ穴をあける作業です。

スライド丁番には、回転軸を角度に合わせてオフセットさせるために、カップと呼ばれている部品があります。このカップを扉の厚み内に収めるために、扉にカップ穴を開ける必要があるのです。しかもカップの位置は正確に寸法を出して開けなければ行けませんし、穴を開けるには、木工用ボアビット(フォスナービット)とう少し特殊な工具を使用する必要があります。

このカップ穴には直径がφ40、φ35、φ26など数種類があり、一般的にはφ35のカップ穴が使用されます。またカップの深さにも11mmから18mmまでの種類があります。カップの深さについては、使用する扉の厚みを考慮して選ぶようにして下さい。

扉の取り付け方法と調整

ワンタッチ機能

スライド丁番の取り付け方法として、ワンタッチ機能というのがあります。これは側板に扉を取り付ける際に、ドライバーなどを使わずにワンタッチで取り付ける事が出来る機能です。

通常の丁番の場合は、扉を持ち上げて位置合わせをしながらネジを打つ必要があるため、小さい扉ならまだしも、少し重い扉になってしまうと一人で取り付ける事ができません。その点スライド丁番なら、座金とスライド丁番本体それぞれを、側板と扉に取り付けてから、あとで金具をパチンとはめて取り付けられるので、一人でも扉を取り付けることができます。

また、スライド丁番は、扉を取り付けてからでも、前後・左右・上下の位置を調整することができます。

タイトルとURLをコピーしました